PREP法とは？伝わりやすい文章を書くテクニック！事例も紹介

PREP法とは、伝わりやすい文章を書くためのテクニックです。

しかし、ライティング初心者にとっては、どのように使えば良いのかわからず、悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。

この記事では、PREP法とはどのようなものなのか、使用法やメリット、デメリットについて解説します。事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

PREP法とは？

PREP（プレップ）法とは、読み手に伝わりやすい文章を作成するためのテクニックです。PREP法を活用することで、論理的でわかりやすい文章構成を作れます。

PREP法の文章構成

PREPとは「Point（結論・要点）」「Reason（理由）」「Example（例）」「Point（結論・要点）」の頭文字を取ったもので、これらの要素を順番に並べて文章を作ります。

• P：Point（結論・要点）
  最初に、明確な主張や要点を伝え、結論を述べるのが大切です。読み手に対して何か特定のメッセージや意図がある場合は、最初に明示します。

• R：Reason（理由）
  次に理由として、なぜその結論になったのか説明するのです。具体的な事実やデータ、専門家の意見などを引用して説得力を高めるようにします。

• E：Example（例）
  次に、具体的な例や証拠を挙げて説明しましょう。具体的な例を挙げると、読み手は主張や要点が現実的で実践的なものであると理解しやすくなります。

• P：Point（結論・要点）
  最後に再度、結論をまとめると、読み手に印象付けられるのです。最後の結論では、結論・要点や理由、例を繰り返し強調するのが重要になります。読み手は文章全体のメッセージや意図を明確に把握しやすくなるのです。

PREP法で書かれた文章は論理的でわかりやすく、情報を伝える力が高いという特徴があります。

SDS法との違い

SDS（エスディーエス）法とは、文章を構成する手法の1つであり、PREP法とは異なる特徴を持っています。SDS法では、「Summary（要点）」「Details（詳細）」「Summary（要点）」の順番で情報を提示するのが特徴です。

PREP法は、主張や要点を中心に構成される手法ですが、SDS法は詳細を中心に構成されます。どちらの手法を使うかは、文章の目的や読み手へのアプローチによって選択するようにしましょう。

例えば、主張や要点を明確に伝えたい場合にはPREP法が適しています。一方で、読み手に具体的な情報や事例を提供したい場合にはSDS法が有効です。

文章の構成方法は多岐にわたりますが、目的や読み手へのアプローチを考慮しながら適切な方法を選択すると、効果的な文章作成が可能になります。

PREP法を使うメリット

PREP法を使って文章作成をした場合に、考えられるメリットは、次の3つです。

• 読み手に伝わりやすい文章が書ける
• 文章を作成するのが早くなる
• 説得力のある文章が書ける

1つずつ詳しくみていきます。

読み手に伝わりやすい文章が書ける

PREP法は、論理的な構成を持つため、読み手が情報をスムーズに理解しやすくなるのです。読み手に伝わりやすい文章が書ける理由は次のようなものがあります。

• 論理的な構成
  PREP法の構成（結論・要点→理由→例→結論・要点）は、読み手にとって情報の流れが明確で、論理的な関係性を理解しやすくなります。

• 情報の整理と適切な強調
  各要素が明確に区別されているため、ライターは主張や要点、理由、具体例を整理し適切に強調できます。

• 要点の明確な提示
  主張や要点を明確に提示するため、読み手は文章の中心テーマや要点を容易に把握できます。そのため、読み手は文章全体の意図を理解しやすくなるのです。

• 具体例の効果的な利用
  例を具体的に挙げて文章を作成すると、読み手は文章のポイントとなる要点が、実際の現実とどのように関連しているのかを理解しやすくなります。

• 再度の要約と強調
  PREP法の最後のポイントは再度の主張です。これにより、読み手にとって主要なポイントが強調され、印象づけられます。読み手は文章を読み終えた後に、主張や要点をしっかりと覚えておけるのです。

PREP法は、情報を整理し論理的な流れで文章を作成する手法です。読み手にとって理解しやすく、情報を受け入れやすい文章を作成するのに効果的です。

文章を作成するのが早くなる

PREP法は、情報を整理するために特定の順序（結論→理由→例→結論）を使用します。どの部分に何を書くべきかが明確になるため、アウトライン作成から本文作成までスムーズに進められ、効率的に執筆できるようになるのです。

要素ごとに内容を伝えるため、アイデアを生成し展開させていけます。ポイントとなる結論を提示したら、結論をサポートする理由や具体例を洗練させていけるのです。理由や具体例を練っていく過程で、アイデアが広がり深まるため、アイデアが尽きてしまったり、ストックがなくなることが少なくなります。

PREP法に従って文章を作成すると、各要素が明確に定義されているため、最初にラフなバージョンを素早く作成しやすくなるのです。また、後から情報を追加、削除、編集する際にも、各要素の役割が明確であるため、効率的に修正を行えます。

アイデアのストックが増え、効率的に修正できるようになれば、文章を作成する時間も短縮できるでしょう。

説得力のある文章が書ける

PREP法によって文章を構成すると、読み手に対して信頼感を与える効果があります。主張や要点を明確に述べるのは、説得力のある文章作りにおいて重要です。

PREP法は、主張や要点を明確かつ簡潔に述べますが、それだけでは十分ではありません。さらに説得力のある文章にするためには具体例や理由も挙げる必要があります。

具体性は説得力を与えるために大切で、抽象的な表現よりも具体的な事例やデータを用いた方が読み手は納得しやすくなるのです。

例えば「多くの人々が健康食品を摂取することで健康状態が改善される」という主張だけでは十分な説得力は持ちません。しかし「A社製の健康食品を毎日摂取することで血圧値平均値が10ポイント低下した」という具体的なデータを示すと、読み手も納得しやすくなります。

また、理由や例を挙げると主張がより具体化されるのです。主張だけでは抽象的で曖昧なままですが、理由や例を交えると具体的なイメージが湧きやすくなります。読み手は文章の内容をより鮮明に理解でき、信頼感も高まるのです。

読み手が文章全体に対して信頼感を持ってくれれば、より説得力のある文章になるでしょう。

PREP法を使うデメリット

PREP法を使って文章作成をした場合に、考えられるデメリットは、次の3つです。

• 機械的な文章になる
• 物語のような文章には合わない
• 長文には合わない

1つずつ詳しくみていきます。

機械的な文章になる

PREP法を使いすぎると、文章が機械的で冷たい印象を与えてしまうのです。そのため、主張や要点の明確さだけでなく、読み手が読みやすい文章になるように心掛ける必要があります。

具体的には、前後のつながりを意識して文章を作成するのが重要です。例えば「結論・要点」や「理由」を述べた後に「例」を挙げる際には、情報と前後の文脈を適切に結び付けるよう努めましょう。

また、論理的な構成も重要です。PREP法では主張や要点の明確さが求められますが、それだけでは十分ではありません。読み手がスムーズに内容を理解できるような流れや展開も考慮する必要があります。

以上のような工夫を行いつつPREP法を活用すると、読み手にわかりやすく響く文章を作成できるようになるでしょう。

物語のような文章には合わない

PREP法は、論理的な構成が求められるため、一部のジャンルには適さない場合もあるのです。特に物語性の強い文章や小説などでは、先に結論を述べるPREP法は不向きだと言えます。

物語性の強い文章や小説のような文学作品では、読み手を魅了するために感情やイメージを豊かに表現するのが重要です。しかし、PREP法は論理的な順序で情報を提示する手法であり、表現に制約が生じる可能性があります。

例えば小説では、登場人物の心情描写や状況描写が重要です。しかしPREP法では、結論→理由→例→結論という順序で情報を整理する必要があるので、登場人物の心情描写だけでストーリーを進行させるのは難しくなります。

PREP法を使う際には、文章のジャンルや目的を考慮するのが大切です。特に物語性や感情表現が重要な場合には、他の手法を使うと、より魅力的かつ読み手の心に訴える文章を作り上げられるでしょう。

長文には合わない

PREP法は、短文や中程度の長さの文章に適していますが、長文には適さない場合もあります。PREP法が長文に適さない理由は次のとおりです。

• 詳細な情報の不足
  PREP法では、結論・要点、理由、具体例を簡潔にまとめるのが重要です。しかし、長文では、それぞれの要素が複数必要なので、十分な詳細を提供するのが難しくなります。そのため、主張や要点が不十分に感じられる場合があるのです。

• 複雑な論点の取り扱い
  長文では複数の関連するアイデアや視点を探求する場合があります。しかし、PREP法は各要素を簡潔にまとめることを重視するため、複雑な論点の掘り下げや多面的な議論を扱うのが難しいのです。

• 流れの維持の難しさ
  長文では段落間やセクション間の流れを維持するのが重要です。しかし、PREP法は各要素を短くまとめることを目指すため、一貫性のある流れを維持するのが難しくなります。

• 重要な部分の埋もれ
  長文では主題が多様化し、重要な情報や要点が埋もれる可能性があるのです。PREP法では、結論・要点→理由→例→結論・要点の繰り返し構造があるため、重要な部分が埋もれてしまう可能性があります。

したがって、長文においてはPREP法をそのまま適用すると、情報の不足や文章の流れの維持の難しさが生じるのです。長文の場合は、PREP法を一部変更して適用するか、より柔軟な手法を検討すると良いでしょう。

PREP法の事例紹介

PREP法を使って、作成した文章を2つ紹介します。

事例1: プロジェクトのリスクマネジメント

• P：Point（結論・要点）
  プロジェクトのリスクを最小限に抑えるために、リスクマネジメントを実施する必要があります。

• R：Reason（理由）
  プロジェクトにはさまざまなリスク要因が存在するため、リスクを事前に把握し、対策を立てることでプロジェクトの成功確率を高められるのです。

• E：Example（例）
  プロジェクトの推進において、技術的な問題や予算の制約、スケジュールの遅れなどがリスクとして考えられます。リスクを事前に特定し、各リスクに対する対策を策定すると、プロジェクトがスムーズに進行する可能性が高まるのです。

• P：Point（結論・要点）
  リスクマネジメントを実施すると、プロジェクトの成功率が向上し、プロジェクトの成果物の品質や納期の遵守が実現できます。

事例2: 製品開発における顧客ニーズの理解

• P：Point（結論・要点）
  製品開発において、顧客のニーズを正確に把握するのが成功のカギです。

• R：Reason（理由）
  顧客ニーズを理解すると、市場での競争力を強化し、顧客満足度を高められます。また、顧客のニーズを反映した製品の開発により、市場での受け入れが容易になるのです。

• E：Example（例）
  新製品開発において、顧客のフィードバックを活用し製品の改良を行った結果、顧客満足度が向上し、売上が伸びたケースがあります。顧客の要望を的確に把握し、製品に反映することで、市場での成功を収められました。

• P：Point（結論・要点）
  顧客ニーズを理解すると、製品の競争力が高まり、市場での成功を確かなものにできます。

PREP法を使ったこれらの例では、結論・要点（Point）を明確にし、その理由（Reason）と具体例（Example）を示すことで、読み手に対して説得力のある内容が提供できているのです。PREP法は、論理的で分かりやすい文章を作成する際に有効な手法であり、プロジェクト管理や製品開発においての重要なスキルとして活用されています。

まとめ

この記事では、PREP法の文章構成やPREP法を使うメリット・デメリット、事例を紹介しました。

PREP法とは、下記の要素を取り入れて構成されています。

• P：Point（結論・要点）
• R：Reason（理由）
• E：Example（例）
• P：Point（結論・要点）

PREP法を使うと、読み手に伝わりやすい文章が書けるのです。しかし、文章の目的や内容によっては、伝わりにくくなる場合もあるので、状況に応じてPREP法を使うようにしてみてください。