ChatGPTでブログ記事を作成する方法｜プロンプトの例や注意点を解説

ブログ記事の作成は、意外に大変な作業です。なぜなら、定期的に記事を追加・更新しなければならないからです。頻繁な更新作業のたとえ一部であっても、ChatGPTに代表される生成AIに助けてもらえれば、ずいぶん作業が楽になるのではないでしょうか。

今回は、ChatGPTを活用したブログ記事の作成方法を紹介します。ChatGPTの場合は明確で詳細なプロンプトが重要になるので、プロンプト作成時の注意点に焦点を置いて解説します。

ChatGPTでブログ記事を作成する手順とプロンプトの例

ChatGPTを活用してブログ記事を作成する場合、作業の手順は以下の通りです。

キーワードの洗い出し
キーワードの調査
検索ニーズの調査
記事タイトルの作成
記事構成（見出し）の作成
本文の作成
生成された本文をもとに内容を調整する
導入文・まとめ・ディスクリプションの作成

それぞれの手順ごとのプロンプト例も示したので、参考にしてください。なお、記事のテーマは「花粉症」で例を示しています。

①キーワードの洗い出し

記事の執筆だけでなく、キーワードの洗い出しでもChatGPTが役に立ちます。「〇〇に関するキーワードを△個作成してください」とプロンプトを入力すると、ChatGPTは指示されたとおりキーワードを提案してくれます。

キーワードはできるだけたくさん作成してもらうことが望ましいです。ChatGPTが出力した候補の中から良さそうだと思うものに関して、本格的に調査しましょう。

②キーワードの調査

キーワードを決めても、そのキーワードがあまり使用されていないものなら、作成した記事が読まれない可能性が高くなります。

このような事態を防ぐために、そのキーワードで記事を作成した場合にどのくらいのアクセスやCV（サイトを訪れたユーザーがアクションを起こすこと）が見込めるか、調査しなければなりません。

具体的には、以下3種類の調査が必要になります。

月間検索ボリューム
関連キーワード
競合サイト

これらの調査はChatGPTでは難しいので、それぞれ専用のツールを使って行う必要があるでしょう。

月間検索ボリューム

「月間検索ボリューム」とは、Googleなどの検索エンジンで、1か月間に特定のキーワードが検索された回数のことです。月間検索ボリュームの値が大きいキーワードが検索上位に表示されるウェブサイトなら、多くのアクセスが見込めます。

月間検索ボリュームはChatGPTでは調べられないため、専用のツールを使わなくてはなりません。下に示すのは「aramakijake.jp」というツールで「花粉症」の月間検索ボリュームを調べた結果です。

それぞれの検索エンジンごとに、どのくらいの検索が見込めるかがわかります。

③検索ニーズの調査

検索エンジンでキーワードを検索する人は、何らかの悩みや疑問を抱えているはずです。そこで、ユーザーの検索ニーズをあらかじめ把握しておくこともブログ記事の作成の際に大切です。

ユーザーの検索ニーズには、ユーザーがはっきりと自覚している「顕在ニーズ」と、ユーザーが訳のわからない欲求に突き動かされて検索する「潜在ニーズ」の2種類があります。

ユーザーの顕在ニーズと潜在ニーズをChatGPTに尋ねることも可能です。

ただし検索ニーズに関してはChatGPTに頼るだけでなく、自分で調べたり考察してみたりすることも、大切です。

特に潜在ニーズは顕在ニーズより重要な意味を持っているにもかかわらず、通り一遍の調査では把握するのが難しい側面があります。

④記事タイトルの作成

キーワードや検索ニーズの調査が終わったら、それらの結果をもとにブログ記事のタイトルを作成します。

タイトルはご自分で考えても構いませんが、ChatGPTに作成してもらっても構いません。ChatGPTにタイトルを作成してもらう場合、以下の情報が、プロンプト作成の際に必要です。

キーワード
検索ニーズ
文字数
タイトルに含めたいキーワード

これらの情報を、ChatGPTに下記の通り入力します。

ChatGPTに作成してもらうタイトルは、複数個になっても構いません。いくつかのタイトル候補の中から最もふさわしいものを選んだり、ご自分で一部を組み合わせてより適切なタイトルを作れるからです。

⑤記事構成（見出し）の作成

記事のタイトルが決まったら、記事構成（見出し）を作成します。この段階でもChatGPTが活躍します。記事構成を決定する際、プロンプト作成には次のような情報が必要です。

キーワード
記事のタイトル
検索ニーズ
記事の簡単な概要
見出しに入れたいキーワード

これらの情報をChatGPTに入力すると、記事構成と見出しが出力されます。

ChatGPTが生成した構成（見出し）は、そのまま使っても構いません。生成された結果をご自分で修正して、テーマや検索ニーズにより合致した構成を作成できれば、さらに質の高い記事になるでしょう。

⑥本文の作成

記事のタイトルと構成（見出し）が決まったら、ChatGPTに記事を作成してもらいます。このときプロンプトには、全体の文字数を忘れないように入力しましょう。

ChatGPTは、生成AI独特のやや固い文章を作成する傾向があります。これを少しでもご自分の意図に沿った雰囲気に直すためには、「作成者の立場」をプロンプトに含めるようにすると良いとされています。

作成した本文を、ChatGPTが最後まで出力しない場合がときどきあります。そのようなときは「続きをお願いします」あるいは「最後までお願いします」とプロンプトを入力してください。

上記の通り、ChatGPTは最後まで文章を生成してくれます。

⑦生成された本文をもとに内容を調整する

ChatGPTが生成した本文は、そのまま公開することはできません。ファクトチェックが欠かせない上に、一見自然にみえる日本語も、よく見ればどこか不自然な部分が浮かび上がって来ます。

またGoogleなどの検索エンジンで上位に表示されるためには、ChatGPTが把握していない最新の情報や、よりオリジナリティの高い情報を追記することも欠かせません。

このような修正はChatGPTでは行えないため、人間が行う必要があります。しかしその場合、誤字・脱字などの入力ミスが生じる可能性があります。

簡単な誤字・脱字や日本語の文法のチェックは、以下の通りChatGPTに行わせることも可能です。

また、誤字・脱字・日本語の基本的な言い回しについて、うっかりミスを防ぐために文法チェックの専門ツールを使用することも良いでしょう。

文章の校正ができるAIツール8選【無料・有料別】メリットや注意点も解説

⑧導入文・まとめ・ディスクリプションの作成

ブログ本文が完成したら、導入文・まとめ・ディスクリプションを追加する必要があります。

導入文はご自身で書いても問題ありませんが、良い文が思い浮かばない場合はChatGPTに書いてもらうという方法も考えられます。

まとめやディスクリプションは、本文をChatGPTに要約してもらったものを利用する方法がお薦めです。

もちろんChatGPTが作成した要約文の手直しは、忘れないようにしてください。

ブログ記事の作成でChatGPTを活用するメリット

ChatGPTは便利なツールですが、ブログ記事作成に活用する場合はどうでしょうか。ここではそのメリットを、いくつか紹介します。

作業時間の短縮と記事質の確保
コストの削減
自分が気づかなかった視点で作成してくれる

作業時間の短縮と記事質の確保

ChatGPTを活用することで、ブログ記事をパソコンに打ち込むといった単純作業を大幅に省略できます。

また、空いた時間を記事の推敲や独自情報の追加などにあてて、質の向上を図ることができます。

例えば、今までタイトル・見出しの作成から本文の執筆まで5時間かかっていた場合でも、ChatGPTを活用すると1時間以内に抑えられるでしょう。残りの数時間を使って記事の見直しや情報の追加などを行うことで、全体の作業時間を減らしながら質の高い記事が作れます。

コストの削減

ChatGPTに執筆作業を丸ごと任せるのはおすすめできませんが、プロンプトの設定次第で有能なアシスタントの役割を果たしてくれます。人を一人雇ったとイメージしてもよいでしょう。

例えば、ライターを一人雇って記事を執筆してもらう場合、文字単価や時間単価に応じて費用がかかります。一方で、ChatGPTは有料の場合でも月20ドル（3,000円程度）です。

したがってブログの作成や運営をチームで行う場合、ChatGPTを活用することで、人件費の大幅な削減が可能になります。

自分が気づかなかった視点で作成してくれる

ChatGPTは、さまざまなコンテンツを学習した結果を出力するので、より幅広い視点にもとづいた文章を作成してくれます。

ChatGPTの文章に作成者が独自の視点や情報にもとづく修正を加えることで、ブログ記事は、人間とChatGPTの二つの視点を活かしたものになるでしょう。

その結果、公開されるブログは広範な情報に基づく一方で、ユニークな視点も確保された存在になります。このようなブログは質が高く読者のニーズを満たせるので、Googleの検索結果も上位に表示される可能性が高くなります。

ChatGPTで文章を作成する際の注意点

ChatGPTで文章を作成する際には、以下の点に注意が必要です。

プロンプトの設定が重要
文体まで合わせるのが難しい
作成されたコンテンツが正しいかチェックする
誤字脱字や日本語が不自然な場合がある
ChatGPTだけでは独自性を高めるのは難しい
他のサイトにある文章をコピペしていないか確認する

ChatGPTでブログ記事を作成する際、全てを任せてしまうのは、まだ不可能です。そのため、ご自分でチェックし修正する作業が必要になるでしょう。

プロンプトの設定が重要

ChatGPTは与えられた指示通りに文章を返してくれます。ただし指示がわずかに異なるだけで全く違う文章が出力されるケースもあり得るので、プロンプトの内容が重要です。

プロンプトで詳細に指示すると、入力する側の意図に近い文章をChatGPTが返してくれる可能性が高くなります。プロンプト自体も論理的でわかりやすい日本語で、必要なポイントを正確に表現しなくてはなりません。

文体まで合わせるのが難しい

ChatGPTから出力される日本語は、固い言い回しになる傾向があります。

砕けた言い回しや話し言葉を多用するブログの場合などは、プロンプトに「砕けた言い回しを使って」「話し言葉を多用して」などの指示を加えておく必要があるでしょう。

砕けた表現を多用するブログの場合は、ChatGPTが生成する日本語の言い回しがどれだけ自然かのチェックが必要です。生成内容によっては、大幅な修正が必要になる可能性もあり得ます。

作成されたコンテンツが正しいかチェックする

ChatGPT3.5が学習済みのデータをChatGPT3.5そのものに問い合わせてみると、2022年1月までと回答が返ってきます。有料版に使われているChatGPT4も、2023年4月までのデータしか学習していません。

したがって、2022年1月（ChatGPT3.5）あるいは2023年4月（ChatGPT4）以降の情報を執筆する場合には、人間が調べて本文に追加するより他に方法がありません。

また、ChatGPTは、問い合わせに対して一見真実らしい「嘘」の回答（ハルシネーション）を返してくることがあるため、注意が必要です。

したがってChatGPで生成された文章は、人間によるファクトチェックが欠かせません。ファクトチェックしないままでブログを公開すると、不正確な内容のせいで読者の信頼を失う可能性があります。そのようなブログは、Google検索で上位に表示されることはないでしょう。

誤字脱字や日本語が不自然な場合がある

ChatGPTが生成した文章は、一見すらすらと読めるように感じるでしょう。しかしよく注意してみると、日本語として不自然な部分が見つかったり、いかにも機械が生み出したような回りくどい表現があります。

このような文章をうっかり公開しないで済むように、人間による修正が不可欠であることを肝に銘じましょう。信頼できる文章校正ツールを使って、自然で読みやすい文章への修正を試みるのもよい方法です。

ChatGPTだけでは独自性を高めるのは難しい

独自性をブログに加えることは、SEO向上の点からも重要です。

しかしChatGPTは広範なコンテンツを学習した結果をもとに文章を生成します。一般的な意見にもとづいた文章を書くのは得意ですが、独自性のある文章を書くのは苦手です。

ChatGPTが書いた文章に独自性を加えるには、人間が文章を見直して修正を加える必要があるのです。

他のサイトにある文章をコピペしていないか確認する

ChatGPTは、広範なコンテンツを学習した結果をもとに、新しい文章を生成します。しかし、その文章にChatGPTがもとにしたコンテンツをそのまま流用してしまう恐れを、否定できません。

ChatGPTが他サイトの文章を、たとえ一部であってもそのまま流用したら、著作権侵害にあたります。盗用ではなく引用であると主張するためには、引用元の明記が必要です。

しかしChatGPTが生成した文章をチェックしても、どの部分がコピーしたもので元になったサイトがどこなのか、確認することはできません。

ChatGPTを利用して文章を作成する際に、知らずに著作権侵害を犯してしまうのを防ぐには、コピペチェックツールを使って文章の状態を確認するのが一番良い方法です。

プロンプトの設定が難しい場合は他のライティングツールを使うのも1つの方法

ChatGPTを活用してブログ記事を作成する場合、プロンプト次第で生成される文章の質が大きく異なります。プロンプトの作成が苦手な場合には、専門のライティングツールを利用しても良いでしょう。

ほとんどのライティングツールではChatGPT3.5/4をAIとして採用しているうえ、表示される画面に条件を打ち込めばよいだけなので、作業の簡略化を図ることも可能です。

このようなライティングツールの代表例として、「AI Writer」「Catchy」「SAKUBUN」の3種類を紹介します。

【無料】AIライティングツールのおすすめ8選｜メリットや機能を解説

AI Writer：記事作成だけでなくキーワードの分析が可能

料金	ベーシック：1,900円(税込) スタンダード：4,900円(税込) プロプラン：9,800円(税込) カスタマイズ：要相談 ※7日間の無料トライアルあり
特徴	構成作成や本文執筆も可能 KWの分析機能も利用できる
機能の制限	ベーシック：5記事スタンダード：20記事プロプラン：60記事カスタマイズ：60記事〜
日本語対応	可
公式サイト	AI Writer公式サイト

AI Writerは、文章を作成すると同時に、競合他社のWebサイトとキーワードを分析してくれるのが特徴の、便利なライティングツールです。

AI Writerは有料のツールで、次の3つの料金プランが用意されています。

ベーシックプラン：1ヶ月1,900円
スタンダードプラン：1ヶ月4,800円
プロプラン：1ヶ月9,800円

また、AI Writerは7日間の無料トライアル期間が付属しています。無料トライアルを申し込んで、トライアルの7日間の間に解約すると、一時的に無料で利用できます。興味のある方は、無料トライアルを試してみてください。

ここからは、AI Writerの簡単な使い方を紹介します。

「記事を作成する」をクリックして、新しいブログ記事をAI Writerに生成してもらいます。

キーワードとターゲットとなる読者層を入力して「作成する」をクリックしてください。

タイトルの提案と同時に、キーワード分析や競合調査が実行されます。

入力された情報をもとに、タイトル候補が提案されるので、良いと思うものを選んで（あるいはアレンジして）「アウトライン生成」をクリックします。

このとき関連キーワードや競合サイトの分析結果が表示されるので、執筆の参考にしましょう。

Ⅳ.アウトライン（構成）の提案

AI Writerが複数個のアウトラインを提案するので、最も良いと思うものを選びましょう。より適切な内容になるように、修正を加えても構いません。

これまでに入力した情報にもとづいて、AI Writerが記事を生成してくれます。後は内容を確認したうえで、必要に応じ修正を加えるだけです。

Catchy：クレジット制で使いたい機能だけ利用可能

料金	Free：無料 Starter：3,000〜8,100円（税抜）/月 Pro：9,800円（税抜）/月 Enterprise：要お問い合わせ
特徴	機能ごとにクレジットを使用し生成する生成可能な項目は100種類以上
機能の制限	Free：10クレジット/月 Starter：100〜300クレジット/月 Pro：無制限 Enterprise：無制限
日本語対応	可
公式サイト	Catchy公式サイト

Catchyは、月ごとにクレジット（＝ポイント）が与えられ、与えられたクレジットの額だけ好きなツール（＝機能）を自由に利用できるライティングツールです。

ツールは全部で約100種類あります。料金プランは以下の4種類です。

Freeプラン：無料で1ヶ月10クレジット分利用できる
Starterプラン：料金に応じて毎月一定額のクレジットが付与される
Proプラン：1ヶ月9800円を支払う代わりにすべての機能を使用できる
Enterpriseプラン（企業向け）

Catchyのクレジットの支払いは機能別です。必要な機能だけを使うようにしたら、作業効率の向上だけでなく、コストパフォーマンスの向上も期待できます。

ここではCatchyにブログ記事の導入文を生成してもらう方法を紹介します。

条件の入力画面が表示されるので、必要事項を入力し、「作成する」をクリックします。

条件に従ってCatchyが、2種類の導入文を生成してくれました。

SAKUBUN：100種類以上のテンプレートに対応したライティングツール

料金	Free：無料 Personal：3,980円（税込）/月 Standard：9,800円（税込）/月 Enterprise：要見積もり
特徴	生成したテキストを再編集してくれる 100種類のテンプレートに対応
文字数制限	Free 月10,000文字（GPT-3.5のみ） Personal GPT-4：月10,000文字 GPT-3.5：月100,000文字 Standard GPT-4：月100,000文字 GPT-3.5：無制限 Enterprise GPT-4：カスタマイズ可能 GPT-3.5：無制限
日本語対応	可
公式サイト	SAKUBUN公式サイト